きよこの書き散らかし小説。
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Deep Forest

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第47話 凛香、迷走中

+++++++++++++

 六本木の駅からミッドタウンへと歩き、その脇にある公園を進みながら、ぽつぽつとお互いのことを話す。
 ウコン君は半年ほど前に彼女と別れて、少しひきずっていたと苦笑いを浮かべた。私も最近ふられて引きずってるよと笑ったら、「おつかれさま」と労われてしまった。
 夏の夜風は心地良く、公園を流れる小さな人口の川のせせらぎが、いっそう涼しさを感じさせる。
 隣を歩くウコン君を見上げる。
 ジャイさんより身長は少し高そうだから、百八十センチいくかいかないかくらいかな。くりっとした目元が犬みたいで、鼻筋はすっと通っている。ぽってりとした唇は女の子の唇のよう。
 この人の子供が女の子だったら、すっごい美少女になりそう。いわゆる女顔なんだろうけど、骨格がしっかりしてるから、なよなよしている風には見えない。

「俺が凛香ちゃんに会ってみたいって思ったのはさ」
「うん」
「大学三年の時だったかな……。ちょうど就活始めた時期でね。思ってた以上に大変だったから、その時に付き合ってた彼女のこと、ないがしろにしちゃったんだ」

 目線の先に広がるミッドタウンのビルの光を、私も見つめる。白い光は濃紺の空に淡く溶け込む。

「そのせいでふられてね。サークルの仲間が飲み会開いてなぐさめてくれたんだ。その時に、舞子が俺に話し出したんだよ」

 ふと右目の端に映ったのは赤い光に覆われた東京タワー。「きれい」とつぶやくと、ウコン君はぴたりと足を止め、両手をポケットに突っ込んだまま、東京タワーを仰ぐ。

「私の友達の凛香、覚えてる? あの子もこの間ふられたんだよ。同じ理由で。そしたらあの子、何て言ったと思う? って」

 目線だけを私に移して、にっと笑われた。

「何て言ったか、覚えてる?」

 覚えてないって。
 ――大学三年の終わり。確かに当時付き合っていた彼と別れた。理由はそう、就活にかまけて彼氏のことをほったらかしたのだ。それで、「俺のことなんかどうだっていいのか」とか「お前に会えないの辛い」とかグダグダ泣きつかれて……あの彼とは別れるの大変だったなあ。

「三年待ってろ!」「三年待ちやがれ!」

 はっと思い出してつい大声で叫んだら、ウコン君も同じタイミングで同じセリフを言ってきた。
 そうだそう。ぶち切れて「三年待ってやがれ」って言ったんだ。売り言葉に買い言葉的に発した言葉だったけど、今考えても意味がわからない。

「あと三年も就活やる気なのかね凛香はって、舞子のやつ、爆笑してたよ」
「舞子のおしゃべりっ」
「俺、それ聞いた瞬間、凛香ちゃんに会ってみたくてしかたなくてさ。それまでも凛香ちゃんの話は色々聞いてたけど、やっぱり面白い子だなあ、会ったら絶対楽しいんだろうなあって、期待してたんだ。でも、就活中だったから、諦めた。ずっと忘れてたのに……また別れたタイミングで、凛香ちゃんの話を舞子から聞いた」

 舞子、どんだけウコン君に私の話をしてんだよ。「舞子のバカ」「おしゃべり」ぶつくさ文句を言っている私を、ウコン君はニコニコと見つめてくる。
 優しい視線に心臓が高鳴る。頬が赤くなっていくのがわかって、「やっぱり夏は夜でも暑いなー」なんて言ってごまかしてみた。

「凛香ちゃんの名前を聞いたら、大学の時の『会いたい』って気持ちを思い出した。でもその時は凛香ちゃんはまだ彼氏がいたから、会うわけにはいかないかって思ってたんだ。そしたら、凛香ちゃん、彼氏と別れたって話が出てさ。会うしかねえよって盛り上がったんだよ」

 薄墨色の雲が、月を隠す。都会の光に負けた月明かりは、姿を隠しても何も影響を及ぼさない。夜でも明るい空の下で、私は、私を愛おしそうに見据える黒い瞳に捕らわれていた。
 いつか見た、真摯な視線は、ぐわりと胸の奥で渦を巻いて、溢れ出す。

 ――やっくんを思い出していた。

 居酒屋の暗がりの中で、私に「結婚しよう」と言ってくれた。あの時の瞳。私を放さないと、繋ぎ止めようとする視線。
 愛情を示す瞳を前に、身がすくんだ。押しつぶされそうだった。

「こんな風にタイミングが合うのも、きっと何かの縁だと思うのは、都合が良すぎるかな」

 恋愛はタイミングだ。誰だっけ。誰かが言ってた。恋愛はタイミングとフィーリングとハプニングだと。
 こうやって何かしらのタイミングがかみ合って、「この子いいな」となんとなく感じて、互いを意識させるような事柄が起こってしまえば、簡単に恋愛はスタートするんだろう。
 簡単で、難しい。恋はいつも、私の心を置き去りにする。

「押しすぎてるかな?」

 何も言わない私に不安を抱いたのか、ウコン君は短い黒髪を手でいじりながら、肩をすくめた。そんなこと無い、と首を振る。

「そろそろ帰ろうか」
「うん」
「また連絡するね」

 うん、とうなずくわけにはいかない。私にはジャイさんがいる。あっちにふらふらこっちにふらふらするなんて情けないし、二兎を追うつもりもない。

 近くの地下鉄へ向かう階段を降り、ウコン君と別れる。手を振って背中を見送った途端、どっと疲れが湧き出て、思わず大きなため息をついてしまった。

「やばいかも」

 NOと言ってしまえばいいのに、なぜ何も言えないんだ。はっきりしないのは一番まずい。相手にとっても自分にとっても、いいことなんてひとつもない。
 なのに、どうして「彼氏がいるから困る」と言えないんだ。彼氏がいてもいいから考えてほしいと言われたから? ジャイさんへの気持ちがわからない以上、彼を振ってしまうのはもったいないから? モテ期を楽しみたいから?

 どんな理由でも、自分勝手で思いやりが無い。

「もうやだ」

 弱音をこぼしだしたら、止まらなくなる。生え出した根っこが心の隅々まで広がって、どこにもゆとりが無くて、がんじがらめにされたみたいで、息苦しさだけが残る。

 私、どこに向かえばいいんだ。どうすればいいんだ。

+++++++++++++

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あとがき↓
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エイプリルフールじゃないですか!
なんか嘘つかないといけないですね(^^)
おもしろい嘘を職場でしかけないと・・・ニヤニヤ

もう少しで10万HITです。
せっかくだから投票的なことでもやろう!とFC2の投票のツールをゲットしたけど、考えてみれば何を投票するんだろう・・・

この作品の登場人物で人気投票!と思ったけど、登場人物少なすぎて結果が見えてるし笑

1位 凛香
2位 ジャイ
3位 ウコン

↑こうなると見た。

その前に、人気投票うんぬんが出来るほどの票が集まるとも思えないし(^^;

投票で何をやるかを投票してもらおうかと考えた今夜・・・

そういえば、1万HITで書くって言った「空に落ちる」番外編も手付かずだった\(^^)/


拍手やコメントありがとうございます。
とんでもなく励みになります。涙出ます。
お返事はResにてかえしてます。


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【2010/04/01 02:20】 | Deep Forest(恋愛)
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第48話 心の迷宮

+++++++++++++

 次の日はジャイさんとのデートだった。
 気持ちが落ちてしまっているせいか、なかなか家を出る気になれず、三十分も遅刻してしまった。一歩足を踏み出すたびにため息がこぼれ出て、ため息の力で歩いてるみたいだ。
 今日のデートは横浜に行くことになっていた。途中の駅で待ち合わせをして向かう予定だったのだが、私の遅刻でジャイさんはその辺で時間をつぶすはめになってしまっている。
 ようやく待ち合わせの駅に到着すると、ジャイさんは軽い足取りで私に近付いてきた。

「ごめん」

 開口一番、謝る。三十分も待たせたのに、ジャイさんはさほど怒っている様子も無く、「じゃあ行こうか」とホームに向かって歩き出す。
 ふわふわと揺れるこげ茶の髪を見ていると、それだけで罪悪感が込み上げて、足が動かなくなってしまった。
 罪悪感とはいっても、ウコン君と遊んだことや、告白されて悩んでしまっていることへの罪の意識じゃない。
 ジャイさんという人を真正面から見ることが出来ない……こんなもやもやを抱えたまま一緒にいることが苦痛なのだ。
 苦痛、というのもちょっと違う。苦しいのとも痛いのとも違う。胸の中で膨らむ風船が喉元を押しやるような感覚というか、胸焼けしているような感覚というか。
 吐きたいのに吐けない時の喉の痛みに似てる。

「凛香ちゃん?」

 先に進んでいたジャイさんが戻ってきて、私の顔をのぞきこんでくる。

「具合でも悪い?」
「ううん、行こう」

 ジャイさんの腕を掴む。恋人同士として歩くことで、確固たる気持ちを手に入れたかった。
 迷わない、一筋の道を歩む、自分を手に入れたかった。
 それが、見つけられないことを、自覚していたから。

 ***

 中華街でランチを食べ、そのまま買い物をして山下公園でまったり散策した後、赤レンガ倉庫へ向かう。
 一緒に過ごすうち、だんだん暗い気持ちは晴れて、楽しさが増してくる。明るい日差しのおかげだろうか。夏の光線を和らげる海風によって、心の中の曇り空まで一掃されていく。
 隣を歩くジャイさんはいつも通り。意地悪だったり優しかったり、ニヤニヤと笑ったかと思うと、柔らかい表情をみせて、私の手を握ってくる。
 コロコロと変わるジャイさんの表情に合わせて、私の気持ちも惑わされる。せり上がってくる恥ずかしさや喜びが隠し切れない。
 不思議な感覚だった。
 ジャイさんに左右される自分。今まで付き合ってきた人たちとは何かが違う、この気持ち。
 好きだから喜んだり照れたりしているのとはちょっと違う。
 一緒の空間で共有する気持ちを、共感しあっている……そんなかんじ。

 赤レンガ倉庫が見えてくると、否が応でもテンションが上がる。日差しはだんだん西に傾き、海に反射する赤い光が目の端に映る。

「ちょうどいい時間だったね」

 海風も強くなって、髪が顔に当たる。それを手で梳いて耳にかける。波の音は聞こえない。

「おっさん、ちょっと歩き疲れた。赤レンガの中で休もう」
「まだ二十代でしょう。おっさん言うな」
「凛香ちゃんには黙ってたんだけど、俺、本当はもうすぐ四十歳なんだ……」
「嘘つけ」

 掴んでいた腕を軽く叩くと、ジャイさんは「凛香ちゃんの平手打ちは心に痛い」とぼやく。
 この人はほんと、ふざけてるというかなんというか。

 横浜港を出発するクルーザーの光が明滅する。その光に目を奪われて目を細めた時だった。ケータイがメール着信を知らせる。
 何の気なしに開いたメール。
 
「あ」

 声を上げてしまったせいだろう。クルーザーを見ていたジャイさんの視線が、ふと私のケータイに降りた。
 慌ててケータイを閉じたが、この慌てっぷり、逆に怪しまれるだろうな……。
 冷や汗をかきながら、チロリとジャイさんの顔色を伺う。
 ジャイさんは怪訝そうに眉をしかめた。

 あて先はウコン君だった。文面は『早くまた会いたい』。

「友達の、友達」
「何も聞いてないけど」

 思わずいいわけを言いかけて、唇をかんだ。少しつりあがった眉毛。切れ長の瞳。いつもと変わらない表情。怒っているのかも何も気にしていないのかも、読み取れない。

「告白、されたの」
「そう」

 そう、って。それだけなの? あっけない返答に怒りが込み上げてくる。
 どうして、感情を見せてくれないの? なんでもかんでもあっけらかんと、飄々としてて。
 いつもどこかで不安を抱えてしまうのは、釈然としない気持ちをジャイさんに対して抱えてしまうのは、ジャイさんの感情を見せない表情に対してだったんだ。
 にこやかにしてるし、意地悪そうにも笑う。だけど、まるでそれは、岸川さんや英美子に見せる営業スマイルと一緒で、一歩踏み込んだ関係だと思っていても、いつもいつも壁を感じてしまう。
 ジャイさんは、私に、何も見せてくれていない。
 表情も感情も気持ちも心も。

「何も言ってくれないんだね」
「相手にするなって、言ってほしいの?」
「違うよ! ジャイさんはなんとも思わないの? 私が他の誰かとくっついちゃうかもしれないんだよ?!」

 思わず大きな声を出してしまい、恥ずかしくなってうつむく。私たちの少し前を歩いていたカップルが振り返って不思議そうに首を傾げてきた。

「俺は凛香ちゃんの行動を締め付けるつもりはないから。そいつとどうなろうが、俺は関与できないと思ってる」
「それって、ひどくない? すごい……突き放されてるかんじ」

 声を押し殺す。震える低い声は、犬のうなり声のよう。
 私はジャイさんを威嚇しているのだから、犬のうなり声と同じなのかもしれない。

「俺は凛香ちゃんの答えを待ってるだけだから」

 何それ。なんなんだそれ。
 強引に私を捕まえていようとか、離さないとか、そういう、気持ちは無いってこと?
 私に主導権を持たせてるようで、結局は私まかせにしてるだけじゃないか。
 ジャイさんの気持ちは?
 どこにあるの?
 本当に私が好きなの?

 わからないことだらけすぎて、頭が混乱する。奥歯を噛み、ぐしゃりと髪をつかむ。
 海風が髪をなぶる。首筋にまとわりつく熱風がうっとおしくて、嗚咽が込み上げてくる。

 ――はっきりしない男より、俺の方が絶対いいよ。

 ウコン君の言葉が、脳内を駆け巡る。

+++++++++++++

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拍手いただけると嬉しいです!

あとがき↓
いつの間にやら10万HIT!!
読んでくださってる皆様、本当にありがとうございます。
記念に何かやりたいなあ。
何がいいですか?笑

拍手やコメント、ありがとうございます。
励みになってます。
お返事はTOPにあるRESで返してます。


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【2010/04/07 03:33】 | Deep Forest(恋愛)
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*5月31日に拍手からコメント下さったromさまへ*

拍手&コメントありがとうございます。
romさまから以前いただいた感想を思いだし、なんだか感慨深い思いです。
遅筆でほんと申し訳ありません(^^;
あともう少しだけ続きますので、また「面白かった」と言っていただけるよう頑張ります。
ありがとうございました!


*5月29日に拍手からコメント下さったなつみかんさまへ*

拍手&コメントありがとうございます。
余韻を残しつつもサラリと終わるのが好きなので(笑)、そう言っていただけると安心します。
ウコン君の存在もいいスパイスになっていたらいいなと思ってます。
あと2、3話分、後日談のような話が続きますので、楽しんでいただけると幸いです。
なつみかんさんのコメント、また励みになりました。
ありがとうございました!


*5月25日にコメント下さったおけいさまへ*

コメントありがとうございます。
ブログを始められたんですね。先輩って、なんか照れます(笑)
継続するのはなかなか大変だと思いますが、おけいさまも頑張ってください!
またぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです。


*5月20日に拍手から「やった!やったよ!~」とコメント下さった方へ*

拍手&コメントありがとうございます。
ようやくここまでたどり着きました。
恋愛小説や恋愛マンガの醍醐味は告白までと思っているもので、ここまで本当に長い道のりだったと思います。
女の子は、好きな男の子と一緒にいる時が、一番かわいいんですよ(笑)
ここから1、2話は二人のラブる日々(笑)のお話となるかもですので、もう少しだけお付き合い下さい。
ご感想ありがとうございました!


*5月20日に拍手からコメント下さったファジーの母さまへ*
拍手&コメントありがとうございます。
とうとう告白です(^^)
ジャイさんとしては、待ちに待った告白ですから、こんなかんじだけど、相当浮かれてると思います笑
もうすぐ最終回となりますが、ジャイさんが何をするか、楽しみにしていてくださいね。
素敵なご感想、ありがとうございました!


*5月17日に拍手からコメント下さったほたさまへ*

ほたさま、いらっしゃいませ。いつもご感想ありがとうございます。
ここまでほんとにグダグダと主人公が悩んできたわけですが、辛抱してくださりありがとうございました笑
気持ちとちゃんと向き合える人って、すごく素敵ですよね。
主人公の最後の頑張りを、ぜひぜひ応援してやってください。
ご感想、本当にありがとうございました。いつも励みになってます。


*5月15日に拍手から「あ~何か今までの中で一番~」とコメント下さった方へ*
(反転してお読み下さい)

拍手&コメント、ありがとうございます。
ほんとに「恋に落ちる」と言い出した人は天才だと思います笑
映画「東京タワー」だったかな?あれの「恋はするものじゃない、落ちるものだ」ていうセリフも大好きなんです(^^)
最終回も近付いてきましたので、二人の最後をどうぞ見守ってください。
ご感想、励みになります。ありがとうございました!



*4月29日に拍手から「頑張れ、凛香ちゃん~」とコメント下さった方へ*
(反転してお読み下さい)

拍手&コメントありがとうございます。
主人公は本当にいい友達にめぐり合えましたよね。
これから彼女も気持ちを切り替えて進んでいくはずです。
どうか最後まで見守ってやってください。
ご感想、ありがとうございました!



*4月28日に拍手からコメント下さったゆき恵さま*

拍手&コメントありがとうございます。
ほんとだ!もう一年ですね!
あんまり気にしてなかったので、驚きです。
リアルさはいつも気にしている点なので、好きと言っていただけて嬉しいです。
リアルすぎてドン引きされないか心配だったりもします笑

連載も2年目に突入ですが、これからも頑張ります。
ご感想、ありがとうございました!


*4月28日に拍手からコメント下さったゆきえさま*

拍手&コメントありがとうございます。
舞子姉さん笑
こういうズバズバ言ってくれる人っていいですよねー。
ぜひついてきてくださると、私も嬉しいです。
素敵なご感想、ありがとうございました!


*4月18日に拍手からコメント下さったほたさま*

ほたさま、こんばんは。
拍手&コメントありがとうございます。
舞子、毒舌女です笑
こういうがっつんがっつん言ってくれる友達って、いるようでなかなかいないので、
いてくれると本当にありがたいですよね。
主人公も舞子の説教で目の曇りが晴れて来たようなので・・・
今後の展開をたのしみにしていただけると嬉しいです。
ご感想ありがとうございました!


*4月16日に拍手からコメント下さった……さま*
(反転してお読み下さい)

拍手とコメント、ありがとうございます。
お気持ち、お察しします。
この辺のくだりの主人公は、どう考えても『嫌な女』になっていると思います。
そして、それを『嫌だ』と思っていただけるのは、最新話の後書きにも書いたとおり、リアルな女の子を描きたいと思っていますので、とても嬉しいのです。
率直なご意見はとても参考になりますので、失礼とは思いません。なので、どんどんカキコしてください(^^)

以前、「小説家になろう」というサイト様で執筆されている作者さまから「失恋の傷が癒えるには付き合った期間×三倍界王拳(笑)の時間がかかる」と言われたんです。
ということもあって、主人公にはこれでもかとウジウジさせてしまったのですが笑、
これから先、凛香も変わっていくと思いますので、見守っていただけたら嬉しいです。
ご感想、とても参考になりました。……さまのご意見は、最新話で舞子の言葉に少し反映させていただきました。
ありがとうございました!



*4月15日に拍手から「ウコン君とは~」とコメント下さった方へ*

拍手とコメントありがとうございます。
ウコン君と主人公、どうなるんでしょうね(^^)
主人公は今、弱っているので、ウコン君みたいな積極的なタイプに落とされやすくなっていますが笑
今後の展開を楽しみにしていただけると嬉しいです。
ご感想ありがとうございました!


*4月15日にコメント下さったyuさま*

yuさま、初めまして。
コメントありがとうございます。
ほんと、もったいないですよねえ。
その辺は次話で主人公の友達ががっつんがっつん言ってやってるんで、笑って読んで下さい笑
ラストがどうなるかは、言ってしまうとつまらないと思うので、ハッピーエンドかバッドエンドかはいえませんが、
最後までお楽しみいただけるよう頑張ります。
ご感想、ありがとうございました!


4月14日に拍手からコメント下さった菫さま*
(反転してお読み下さい)

拍手&コメント、ありがとうございます。
若気の至り、わかります。
さびしい時って、なんでこうなるんだろうって、反省するようなことばっかしちゃったりするんですよねえ(遠い目)
そういうタイミングで出会うのも、ある意味、運命的なものもあるのかなって思います。
失敗も自分を見直すいいチャンスですよね(^^)

腹の内を全く見せないジャイさんですが、この先、どういう一面が出てくるのか笑
嫉妬と独占欲をむき出しにしてきたりして。
いつもご感想ありがとうございます。
励みになります!


*4月2日に拍手からコメント下さったすうさま*
(反転してお読み下さい)

拍手&コメント、ありがとうございます。
ウコン君キャンペーンをはったかいがありました笑
すうさまにもぜひ、主人公になったつもりでどっちにしようか悩んでいただけたら幸いです笑
素敵なご感想ありがとうございました!

【2010/04/07 03:41】 | 拍手・コメントお返事
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第49話 これでいいって、誰か

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「ジャイさんが何を考えてるのか、わかんない」

 みるみる押し寄せてくる涙を必死に我慢する。ここで泣いたら負けな気がして、ぐっとまぶたに力をこめれば、目の奥の熱さを感じて、よけいに涙が出そうになった。

「凛香ちゃんは、俺に何を期待してるの?」
「何って……」
「愛されたいだけ? 俺の気持ちって、そんなに大事かな?」

 何を言ってるんだ。相手の気持ちが大事なのは当たり前じゃないか。

「今、俺の気持ちを言うのは簡単なことだよ。だけど、凛香ちゃんは?」

 バッグを持った手に力が入る。潮風が気持ち悪くて具合が悪くなる。吐きそう、そう思って口元に手を添えるが、喉の奥で胃液の酸味を感じるだけで、何も出そうに無い。

「俺は、凛香ちゃんの気持ちが知りたい。卑怯なのはわかってるよ。俺が言わずに、凛香ちゃんに言わせようとするのは卑怯だってわかってる。だけど、今の凛香ちゃんにはそれが必要だと思ってる」
「そんなの」

 ジャイさんが決めることじゃないじゃない。そう言おうと思ったけど、口には出さなかった。
 ジャイさんなりに私のことを考えてくれてるってわかってる。だけど、それを受け止めて理解できないのは、私の感情がついてきてないからだ。
 こんな話し合いを、ジャイさんと私、何度繰り返したんだろう。
 確認したい自分。言ってくれないジャイさん。ずっとずっと悶々とした気持ちを抱え、でも、答えを出してしまうことが怖かった。
 離れていってしまうことが、怖かった。

「ごめん。私、ジャイさんと一緒にはいられないよ……」

 だって。今ほしい言葉を、今言ってくれない人と、一緒にいる意味はあるの?
 口から手が出るほどに欲してる。
 好きって言って。私を好きって、言ってほしいんだよ。それだけで満足するのに。それだけでいいのに。

「ジャイさんと一緒にいると楽しかった。いつも……いつも私を元気をくれて、ありのままでいさせてくれた。でも」

 こぼれる涙は、海風にさらわれる。強くなってきた風に、身震いする。
 震えて泣いてしまう私を抱きしめてくれる手は、ジャイさんだった。骨ばった男の人の手。頼りにしていたし、欲していた。

「このままじゃ、辛いんだよ」

 自分を追いつめてるのは、自分自身だ。辛いのも苦しいのも、切ないのも寂しいのも、全部全部自分の気持ちの問題なのだ。
 ジャイさんに助けを求め、救ってもらいたくて、それがただ一言の「好き」なのだと、ジャイさんに求めてしまっているのは私自身の弱さで、ジャイさんには何の落ち度も無い。
 ジャイさんはきっとそれを見抜いてるからこそ、何も言わないのだ。

「どうすればいいのか、わからないの」

 ジャイさんの手が、私の耳元に触れる。ビクリと体を震わせ、見上げる先には、寂しそうに笑うジャイさんの顔があった。

「凛香ちゃんがあの男のこと吹っ切るのを待ってるつもりだったんだけど」

 やっくんがいない寂しさを。
 埋めてくれた人。

「凛香ちゃんには時間が必要だと思ってる。俺の気持ちを押しつけても、今の凛香ちゃんにはちゃんとした答えは出せない。違う?」

 寂しいから、好きだと言ってほしいだけ。失った気持ちを、補うだけの愛を欲してるだけ。

 それを恋愛だと、言ってしまうには……私はまだ純粋さを失ってはいない。

「ごめんね……」

 謝るしか出来ないのは、もう私の答えは出ているから?

「ごめんなさい」

 嗚咽まじりの声は、ジャイさんの耳にちゃんと届いただろうか。
 道の片隅で泣きじゃくる馬鹿な女を、ジャイさんはどう思っているだろうか。
 来週からサーカスが始まると書かれた看板が掲げられた大きな門のそばで、私たちは隠れるように身を寄せる。
 白い柵の向こうにはひっそりと佇む白い建物が見える。その先には、横浜の海。すっかり闇に飲まれた海は、ビルの光を反射させ、虹色にたゆたう。

「もう会わないってこと?」

 問われて、声が詰まる。そういうことに、なるんだろう。

「……わかった」

 そういうつもりじゃないの、とか、違う、とか否定の言葉が次々に出そうになる。でも、押し殺して我慢した。
 ずるずるとするのは、ジャイさんにとっても良くない。
 私のことなんてとっとと切って、新しい人を見つけるべきだ。自分勝手な物思いで、人の人生をまきこめない。
 私を大切にしてくれたからこそ。

「ジャイさんがいて良かった。助けられたよ。いっぱい」

 何度お礼をしても足りないだろう。

「いっぱい。いっぱい、ありがとう」

 どうして、こうなってしまうんだろう。
 好きじゃなくても付き合えたはず。いつか好きになるのを待てたはず。
 だけど、ジャイさんに対しては出来ない。

 偽りの気持ちで一緒にいることを、私は良しと出来なかった。
 この人にだけは。

「帰ろうか」

 ハンカチを手渡され、素直に受け取り、涙をぬぐった。ハンカチの上からちらりと見たジャイさんの顔は無表情で、何を考えているのわからなかった。
 薄い唇の両端を少しだけ上げて、笑みを浮かべる。眉間に入った小さな皺が、一体何を物語っているのか、私にはわからなかった。

「友達に、なれないかな」
「俺はそういうの、ちょっと無理かな」

 図々しいお願いを口にしてしまったことが恥ずかしくなって、唇を噛む。
 失いたくないという気持ちと、このまま別れるべきだという気持ちがぐるぐると入り混じり、胸の中でざわめき続ける。

「いつかどこかでばったり会ったら、『よっ』って気軽に声かけてよ」

 陽気にそう言って、ジャイさんは歩き出した。背中を追いながら、何度も何度も深呼吸した。

 これで良かったのか。これで、いいのか。
 自分の選択を後悔する気がして、ジャイさんの洋服の裾を掴みたくなる。
 だめだ、そんなの甘えだと叱責をくり返し、空を仰ぐ。

 うずまく風で、雲が走る。月を隠し、星を隠し、飲み込んでいく。

 ――心が。

 泣いてる。

 未熟な自分が情けなくて、ただ涙が出る。

 お願いだから、誰か。
 間違ってないと、言って。
 これでいいって、誰か。

+++++++++++++

次話(第50話)へ
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拍手いただけると嬉しいです!

あとがき↓
自分の気持ちって、自分のことなのにわからないことって多いですよね。
誰かと別れた直後に誰かと出会っても、その人への感情が、ただの寂しさなのか、純粋な恋愛感情なのか……。

整理しきれない気持ちも、ふとしたきっかけで道が開けてくることがあります。
つらいこと悲しいこと、そういう負の感情に流されると、何も見えなくなる。

つらい時は何も考えないようにします笑
飲んで笑って遊んではしゃいで。だんだん元気になれば、おのずと答えは出るものと思ってます。
悩んでいる人は多いと思いますが、自分が落ち込んでいる時に出す答えは、ほぼ間違えます(苦笑)
気持ちが元気を取り戻すまで、答えを出すのは待つべきというのが持論です。

今、この作品の主人公状態の友達がいて。
創作活動をしてるのは秘密なので、その子がこの作品を読むことは一生無いのですが笑

誰かがこの作品を読んで、何かを得るきっかけになればいいなと思います(^^)


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【2010/04/14 01:53】 | Deep Forest(恋愛)
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yu
はじめまして。いつも楽しみに読ませていただいてます。


ええええええー
別れちゃったんですか・・・。もったいない。こんないい人いないのに。。りんかちゃんの気持ちもわかる気もしますが。
これからもきゅんきゅんするようなストーリー、期待してます。できればハッピーエンドがいいなぁ

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きよこの「Deep Forest 第49話」のまねしてかいてみるね

DeepForest目次へ第49話これで満足する気が。
来週からだよ。
眉間に一回の奥で胃液の光を口に、星を浮かべる!!
白い柵のか。
ハンカチをしていって具合がついてきた大きな門の気持ちのを少しだけで、一体何度お礼を噛む。
自分勝手な気が決めることを受け止めてない♪
吐きそう、でも、怖かったけど、空を。
自分♪
これで胃液の熱さでざわめき続ける!!
眉間に手を欲してる。
眉間にだけ上げていって泣いては出てます。
さん♪
うずまく風に出そうに我慢する!!
ずるずるとしたんだよ。
好きってわかってるって言ってるの選択を追いながら、喉の海はわからなかった手を抱きしめてもらいたくなる?
お願いだ、こうなった手?
こんな話し合いを求めて。

*このエントリは、ブログペットの「ぷっちょん」が書きました。

【2010/04/16 07:12】 | ブログペットぷっちょんの部屋
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第50話 舞子戦争、勃発

+++++++++++++

「これでいいわけあるかああああ!!」

 どんっと置かれたビールジョッキが割れてしまうんじゃないかと思って、つい顔を青くする。月曜日の会社帰り、休みの舞子に連絡を取り、こうして飲み屋に来ている。
 月曜日なんていう憂鬱まっさかりの日にわざわざ呑みに行ったのは、言わずもがな、昨日の件だ。

「あんた、馬鹿じゃないの!」

 乾杯をして、一杯目のビールを飲み干したあと、私は舞子にジャイさんとの経緯と、ウコン君とのことを話した。
 その反応がこれ。一杯目だっていうのに、もう酔っちゃったのか、舞子の顔は真っ赤だ。いや、舞子は酒が強い。酔ってるんじゃなくて怒ってるから顔が赤くなってるんだ。

「馬鹿って、なにさあ」

 口を思いっきり尖らせたら、その唇を掴まれて引っ張られた。けっこう痛くて悲鳴をあげるのに、舞子は止めてくれない。

「信じられない! ジャイのこと、振るなんて!」
「だって、好きって言ってくれないしぃ」

 まさかこんな怒られるとは思ってなかった。なぐさめてくれると思ってたのに。
 舞子のことあなどってた。私としたことが。
 やっと唇を離してくれたから、もう二度とつかまれないように両手で口を隠しながらぶうたれる。

「じゃあ、なに? 好きって言ってくれりゃあ誰でもいいわけ?」
「そういうわけじゃ、ないけど」
「浩太は好きって言ってくれるから、のりかえようって魂胆?」
「魂胆とか人聞き悪い!」

 ウコン君とのこと、忘れてたわけじゃないけど、忘れてた。
 好きになりそうと、告白予告みたいなことはされてるんだ。
 彼ははっきりと気持ちを表現してくれる。
 それはまさに私が今求めているもので、そういう意味では、ウコン君との今後をきちんと考えてみるべきなのかもしれない。

「浩太のことはどう思ってるの?」
「……まだ三回しか会ってないからなんとも言えないけど……恋愛対象として考えてるよ」
「半端は止めてよね」

 焼き鳥の串をはずす手に力がこもってる。皿まで突き割りそうで、私の方がビクビクしてしまう。

「半端って?」
「浩太は私の友達だから。やっくんやジャイの代わりで付き合うなんてまねしないでよね」
「代わりなんて……」
「違うの? 結局ジャイに対してもそうだったんでしょ? だから一度は付き合うの承諾したくせに、代わりにならないからって振ったんでしょうが」
「違うよ!」

 今日の舞子は怖い。どうしてここまで怒ってるのかさっぱりわからない。
 険悪な空気に飲まれそうになった時、ちょうどいいタイミングで店員さんが次のお酒を持って来てくれた。
 受け取ったモスコミュールをすぐさまぐぐっと飲み込んで、舞子はでっかいため息を吐く。やっぱり怖い。

「ジャイのこと、真剣に考えてんの? 凛香、自分のことばっかり」

 グサグサと舞子のセリフが突き刺さってくる。あながち間違っていないから反論が出来ない。

「相手に求めてばっか。凛香って、そんな女だったっけ?」

 グサッと刺された上に抉り取られてる気分だ。

「好きって言って、好きって言ってえ! そればっか! お前はどうなんだっつうの!」

 再びグラスを叩き割る勢いでテーブルに置くから、液体が飛び散ってしまった。半笑いになりながら、おしぼりでテーブルを拭く。

「凛香はジャイのことどう思ってんだよ! それが一番大事でしょうが! 相手に求める恋愛なんて、ろくなもんじゃないよ! そんなん愛じゃない! ただのエゴなんだよ!」

 このセリフは大砲級。撃たれて瀕死。

「だって、わかんないんだもん! 好きかどうかわかんないのに、好きなんて言えるかっつうの!」

 大砲に負けるわけにはいかない。満身創痍で打ち返すが、舞子の防御は鉄壁だった。

「逃げてるからわかんないんだよ!」

 大砲どころかミサイルだ。

「逃げてない!」
「逃げてるよ! 傷つくことから逃げてんだよ! やっくんに振られた痛手背負って、二度と傷負いたくないから、ぶっさいくに包帯巻きまくってんだよ! もういらないでしょうが! 包帯取れ!」
「意味わからん!」

 舞子のミサイルを迎撃ミサイルで打ち返したつもりだが、的をはずして負傷した気分だ。捨て台詞で逃げようとしたが、舞子歩兵部隊は逃してくれない。

「傷が見たくないからぐるぐるぐるぐる包帯巻きまくって、傷から目をそらして。見えてないから気付かないし、まだ痛いと思い込んでさ。包帯とったら、驚くんだよ。あれ? 傷治ってる!」

 膝をどつかれる。舞子の平手は冗談でも痛い。思わずうめきながら膝を抱え泣きまね。

「傷の一個や二個でビービー騒ぐな! 名誉の負傷なの! 凛香が頑張ってやってきた証なの! いいじゃん、傷ついたって。次の恋に活かせばいいだけじゃん。臆病になるなんて、凛香らしくない」

 歩兵部隊は、どうやら救援部隊に様変わりしたらしい。

「ちゃんと考えな。逃げ出すなんて、らしくないよ。浩太と付き合うことになっても、私は反対しない。私の友達だから、大切にしてほしい。ジャイとやり直すなら、浩太のことはちゃんと振ってやって。気持ちに区切りをつけさせてやるのも、優しさだよ」
「……うん」

 気持ちに区切り。
 舞子の言葉は的を射すぎてて、ずたぼろにされた気分だ。でも、妙に清々しい。長い付き合いだ。私の叱咤激励の仕方を、舞子は心得てる。
 私はいつもそれをありがたく拝聴し、反芻し、自分を省みる。
 反発心が生まれる時もある。落ち込んで立ち直れなくなりそうになる時もある。それでも、舞子の言葉は私を生かす。活力を与えてくれる。

「負のスパイラルにはまって、悲劇のヒロインぶるのなんて、凛香には似合わないよ。あんたはいつもあほみたいに笑って、偉そうにふんぞり返ってるのが似合うの」

 それが似合う女もちょっと微妙……。

「そういうわけで、ジャイに電話しなよ」

 つり目がちな目を細めて、舞子はワントーン高い声を弾ませる。
 ていうか、今、なんて言った?

「ゴメンネTELしちゃいなよ」

 語尾にハートが乱舞してる。

「舞子少佐、意味がわかりません」
「電話せいちゅうとろうが。ケータイ貸せや」

 舞子大佐、昔の血に火がついた模様です。ヤンキーです。絡まれた。

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あとがき↓
ブログペットを飼ってるんですが(パソコンだけ見られます。左のバーにいるコブタ)、真似して記事を書いたようです。

大半は何を書いてんだかわかんないのに、たまになんとか意味の通じる文章を書いてくるんですよね。

胃液の熱さでざわめき続ける!!ってなに?(笑)
どうみてもゲ○について熱く語っているようにしか思えないのですが。

こんな話し合いを求めて。ってどんな話し合い求めてんの!?

ここから読めます↓
ぷっちょん部屋

前回のお話は、けっこう反響があったようでうれしい限りです。
凛香に対して肯定的、否定的両方の意見がありましたが、そのどちらもありがたかったです(^^)
なるべくリアルな女の子を描きたいんです。
ずる賢かったり、妙に純真な一面を見せたり。
ある程度、恋愛にこなれてきた年齢の女の子特有の、計算高さやかけひきめいたやり方、エゴイスティックな部分。
そういった負の一面をちゃんと描けていけたらなーと思ったりしてます。
もちろん、夢の無い小説なんて面白くないと思うので、少女マンガみたいな部分もがんがん書きたいです笑

拍手やご感想、ありがとうございました。
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【2010/04/17 03:43】 | Deep Forest(恋愛)
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第51話 舞子大魔王とホウタイ女

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 舞子にケータイを渡したら、確実にジャイさんに電話をかけるだろう。それをやられたら、私、一体どうすればいいってんだ。
 躊躇してケータイを抱きしめていると、舞子の笑顔がどんどん歪んでくる。般若がいる。

「はよう渡せえや」

 もうヤンキー超えてヤクザですよね? 迫力だけなら組長クラスなんですけど。

「凛香」

 低く轟く声は、組長を飛び越えてマフィアの大ボスです。大魔王です。

「あんたは恋愛をしてないよ」
「なに、それ」
「自分だけの世界に閉じこもって、ごっこ遊びしてるだけになるよ。今のままじゃ」

 大魔王から吐き出される言葉は、胸の奥にぐんぐんと入り込んでくる。鼻の奥がつんと痛む。

「ちゃんと向き合わなきゃ」

 鼻をすすり、両手で握りしめたケータイからゆるゆると力を抜く。

「手、貸してあげることくらいなら、できるからさ」

 舞子の手が私の目の前に突き出される。広げられた手の上に、私はケータイを置いていた。
 本当はわかってた。
 ずっとわかっていたことなのだ。
 でも、逃げていたのは、怖がっていたのは、舞子の言うとおりで……。
 包帯だらけの自分の傷を直視することが出来ず、不恰好なそれを見て見ぬふりをした。
 たとえ傷が痛くても、それがいつか癒えることを知っている。知っているはずなのに、傷の痛みを知っているから、怯えていたのだ。
 誰かを好きになるということは、同時に失うということも覚悟しなければならない。
 それが、怖かった。嫌だった。もう二度と、味わいたくない。

 だけど、だけど、だけど。
 それでも、また誰かを好きになる。好きになってしまう。それを止めることなんて、出来やしない。
 だから――。

「もしもしー? ジャイさん?」

 舞子ののん気な声にはっとする。
 え、あれ? もしかしなくても、まじでジャイさんに電話してる?

「初めまして。原瀬舞子と申します。ええ、そう。凛香の友達の。あはは! ありがとうございますー」

 なんかすんごい楽しそうに会話してるんですけど。

「そうそう。今、凛香に説教してたところで。そうなんですよ! ほんと、バカな子ですいません。え? いえいえ。うんうん。ああ、そうですよね。はい。はあ、うーん。はい」

 ていうか、なに話してんの! さっきから、ああ、とか、はい、とか うん、とか! 盗聴したい!

「ああー……うん。そうそう。あはは! そうそう! うん、うん。あ、はい。わかりました。うん。じゃあ、はい。はい、わかりました。うん。いえいえ。こちらこそ。うん。はい。じゃあ」

 うん、だの、はい、だと連発したと思ったら、舞子はバチッとケータイを閉じてしまった。

「ええ! ちょっ! 切っちゃったの?!」

 代わるとか、あるかと思ってたんだけど!

「あ、ごめん。切っちゃった」

 テヘッとペコちゃんみたいに笑う舞子を唖然と見ることしか出来ない。

「ええと……。なに、話したの?」

 おかしくない? 話の流れ的に、舞子が電話してくれて、私と電話代わって、ジャイさんと私が話すんだとばっかり思ってたんだけど。
 手を貸すって、話が出来ない私の背中を押すために電話かけてくれることだと思ったんだけど。私、何か間違ってた?

「今週末、あいてる日あったら教えてって言ってて」
「え?!」
「金曜はあいてるかな? って聞かれたから『うん』って言っておいた」
「ちょっと! 勝手に予定を決めないでよ!」
「でもあいてるでしょ? 私と飲む約束だったし」

 そうだ。金曜は舞子を含む高校時代の友達と集まって飲む約束をしていたのだ。それに行かないで、ジャイさんと会えってか。

「土曜は休みだし。ジャイさんと話しあったら、うちらのところに来ればいいじゃなーい。あ、そっか。ラブホに直行かしら。いやん」

 いやん、って。

「とにかく。ちゃんと思いの丈をぶつけてきなさいよねー」
「思いの丈え?!」
「凛香が今、抱えてる気持ち、全部ちゃんと伝えてきなさい。好きでも嫌いでも、わかんないでもさ」
「もう、伝えたもん」
「もん、じゃねっつの。このままでいいなら、会えないってメールでもすりゃいいんだから。まだ月曜だし。よく考えなよ」

 舞子は強引だ。でも、この強引さに助けられてる。
 このままじゃいけないの、私が一番よくわかってるんだ。


 ***

「あーあ。あと一ヶ月かあ」

 夏の陽光はギラギラと照りつける。それでも私は屋上に行くのだから、物好きなのかもしれない。ついてくる英美子も物好きなやつ。
 お弁当を広げ、タコさんウィンナーをつまむと、英美子が「かわいーい」ともう一匹のタコさんを勝手に取って食べてしまった。
 何しやがんだと軽くキレたら、チロルチョコをくれた。よし、許す。

「なんでため息ついてんの? あと一ヶ月って、退職までの期間だよね? やりたかった仕事に向けての第一歩じゃん」

 英美子は細い足を投げ出し、ぐっと伸びをする。

「でもさあ、悩むじゃん? これでよかったのかなーって」
「英美子が悩んで決めたことでしょ? それでいいんだよ」
「そんなもの?」
「だって、自分で決めたんだよ? 後悔するようなことになっても、自分で決めたことなんだからしょうがないじゃない?」

 そうだ。全部、全部、自分で決めてきたことだ。
 誰かがそうしろと言ったわけでも、渋々そうしたわけでもない。
 自分の意思で、決めたこと。

「そうだよねえ。うん。そうだよね。後悔しないように頑張るしかないよね」

 何度もうなずきながら、英美子は「そうだよね」と繰り返す。私も合いの手のように何度もうなずいた。

「そうだよ。後悔することになったら、飲みに付き合うよ」
「憂さ晴らし?」
「憂さ晴らし」
「おごり?」
「それは無い」
「凛香先輩、冷たいー」
「同期でしょうが」

 目をつぶっても、日の光が届いてくる。真っ白に染まった世界の中で、私もまた「そうだよね」と何度もつぶやいた。

 このままではいけないんだ。
 私、このままじゃ、逃げてるだけになる。
 脱け出すんだ。迷いの森を。
 私の足で。

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【2010/04/28 03:15】 | Deep Forest(恋愛)
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