きよこの書き散らかし小説。
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Deep Forest

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第36話 なんとなくの日々

+++++++++++++

 鳴り響く電話を取り、会社名を告げる。
 電話の向こうは取引先の会社で、納品書の内容が違うという用件だった。
 マウスをクリックし、ジャイさんの勤める会社が作ったシステムを使い、取引先の会社に送った納品書の詳細を調べる。

「商品コードが500―XMSですよね? 申し訳ありません。納品書のミスですので、至急正しい納品書を送付致します」

 電話越しなのに、頭を下げて謝り、受話器を置く。しっかり置いたことを確認して、私の真向かいに座る営業の川田を睨みつけた。

「川田さん!」
「お、おう」
 
 手持ち無沙汰そうにパソコンをいじっていた川田は、「またやっちゃった?」と言いたげな表情で罰が悪そうに頭を掻いた。

「納品書にミスがあったんで、直して送付してもらえますか? NO.143950の納品書です」
「なんだよ、佐村。機嫌悪いな」
「この取引先、川田さんの担当ですよ? また間違えたんですよ? 何度目ですか、今月何度目ですか、私の血管がすでにもう五本くらい切れちゃってるんですけど、そろそろ脳卒中で死んじゃうと思いませんか」
「すぐやります」
「お願いしますね」

 会心の笑顔を見せたのに、川田は顔面蒼白で速攻パソコンにかじりついてしまった。

「佐村の笑顔は鬼より怖い」「俺は席替えを要求したい」とかぶつぶつ言っているが、聞こえないフリをしておこう。

 机の端に寄せてあった伝票をつかみ、指で端をずらしてめくりやすくする。
 電話で中断してしまった仕事の続きをしようと、もう一度パソコンを見る。パソコンの画面に隠れて、人陰がちらついた。

「おはようございます」

 さわやかな低音の声を会社で聞くのは久しぶりだった。
 会社のシステムの変更はほぼ終わり、今は移行期間の点検くらいでしかジャイさんはうちの会社に来ない。
 一週間前ジャイさんの家に泊まって以来、ずっと会ってなかった上に連絡も取っていなかったから、なんだかとても久々に思えたし、気恥ずかしくもあって、ジャイさんから私の姿が見えないように身を低くする。

「佐村さん、お久しぶりです」

 席がばれてるから、無意味だった。
 口角がひくつくのをこらえながら、顔を上げる。

「お久しぶりです……」

 薄い唇に営業スマイルを張り付かせ、私に軽く会釈する姿は、この間ベッドを共にしたとは思えない他人行儀さに思える。
 こいつ、俳優とかになれるんじゃないの……。

「システムはどうですか? 不具合は無いか確認に来たんです」
「特には……」
「そうですか。じゃあ、これから他のフロアの方のところに挨拶に行くので、失礼します」
「え、もう」

 行っちゃうんですか、と聞きかけて、口をつぐんだ。
 ジャイさんは仕事で来ているのであって、私に会いに来たわけじゃない。
 公私混同もいいとこだ。

「あ、赤峰さん、今日暇ですか?」

 課長と話し込んでいた岸川さんがちょうど戻ってきて、ジャイさんに声をかけた。
 踵を返しかけていたジャイさんは顔だけを岸川さんに向けて、「暇ですよ」と笑顔を返す。

「今日、営業二課と一課の何人かで飲みに行くんですよ。赤峰さんもどうですか?」

 そう、今日は岸川さんと私と英美子で飲みに行く約束をしているのだ。
 で、それにジャイさんも来るってこと!?

「佐村も来ますし。システム完成祝いってことで」

 ポン、と私の肩を叩き、岸川さんは「ね?」といつもの優しい笑みを向けてくる。
 この笑顔を向けられて、「いやあ、私はジャイさんがいるのはちょっとぉ」とは言えない。岸川さんの得意技、『天使の笑顔でごり押し』が炸裂した。

「赤川さんも、ぜひー……」

 棒読みで誘う。ジャイさんも岸川さんに負けないくらいの優しい笑顔で「喜んで」とうなずき、行ってしまった。

「凛香ちゃん、赤峰さんだよ」
「え? 誰がですか?」
「……うん、なんでもない」

 岸川さんが頭を抱えたが、私、何か間違えた?


 ***

「そうなんですよー。ネイルやりたいんですー」

 酔いが回った英美子は呂律が回らないのか舌足らずなしゃべりで、ジャイさんに右手を差し出す。
 その指のつめには、自分でやったというネイルが綺麗に色付いていた。
 ピンクから透明にグラデーションがかかっていて、花の模様が人差し指に描いてある。
 遠目から見ても女の子らしくてかわいいネイルだ。

「赤峰さんはあ、どう思いますかあ? 転職してえ、いいと思いますう?」

 ボブカットの髪を揺らし、上目遣いでジャイさんを見つめる英美子に、いらっとする。
 こんにゃろう。ジャイさんに媚び売るんじゃねえ。

「いいんじゃないですか? やりたいことを見つけて、それを仕事に出来るってうらやましいですよ」

 当たり障りの無い返答が英美子は気に入らなかったのか、ぷくうと頬を膨らませ、ビールを一気に飲み込んだ。
 ちょっとかわいいぞ、英美子のやろう。

「給料とかあ、安くなっちゃうしぃ、平日休みで、土日遊びに行けなくなるしぃ、休憩の時間もろくにとれにゃいっていうしい、迷ってるんですう」

 とれにゃいって、言った! ムカツクを通り越して、カワイイ。
 すっかり思考回路がオヤジ化してるのか、英美子の仕草にニヤニヤしちゃってるのは、むしろ私だ。

「英美ちゃんは人当たりがいいから、接客業向いてるんじゃない? やりたいこと見つけられるのって、いいことよ。事務は経験してるんだから、もしネイリストの仕事をやってみて向いてないって思っても、事務に戻ろうと思えば戻れるんだし。一度やってみたら?」

 岸川さんの先輩らしいアドバイスに、私もジャイさんのウンウン、と大きくうなずいた。

「なんかうらやましいなあ。好きなことを仕事にしたいって思えるの……」

 グデングデンに酔っ払って、目がすっかりラリってても、英美子の姿は輝いて見える。
 なんとなくで仕事して、なんとなくで日々を生きてる私よりも、きちんと自分の人生に向き合う英美子がうらやましいのだ。

 人のことをうらやましがっても仕方ないけど、片や結婚、片や転職……花開いていく友人たちの姿を傍観するしかない自分が、ちっちゃい存在に思えて情けなくなってくる。
 恋人もいなけりゃ、その辺で男を拾っちゃうし、仕事は年数だけ重ねてちゃらんぽらん。
 頑張ってるつもりだけど、何も実になってないような気がしてしまうのは、先が見えないからなのか。

 ため息をこぼしながら、ふと手元を見ると、テーブルに置いたケータイがメールの着信を知らせていた。

『この間は楽しかったよ。ありがとね。また飲みにいかない?』

 メールの送信者は、『西岡浩太』。
 ――って、あの三人の内、どれ?

+++++++++++++

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あとがき↓
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アルファポリスの恋愛小説大賞にエントリーしました。

アルファポリスにご登録されていましたら、ぽちっと投票していただけると嬉しいです。
(投票用バナーは目次ページにあります)

別作品を青春小説大賞にエントリーして、その作品を更新したらお礼とか言おうと思ってたんですが・・・
気付けば2月・・・!!

月日って、なんでこんなに立つのが早いんだ・・・

青春小説大賞の時に『Fly high,high sky』に投票してくださった方がいましたら、
今更ながらありがとうございます。
今は更新停止してますが、ちゃんと完結させますので、もうしばらくお待ち下さい・・・


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【2010/02/03 03:06】 | Deep Forest(恋愛)
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第37話 人生に三度、モテ期到来

+++++++++++++

 新規作成の画面を開き、宛名に舞子のアドレスを入れる。

『西岡浩太って、どの人だっけ?』

 文面を打ち込み、送信ボタンを押すと、すぐさまケータイがブルブルと震えた。早すぎる反応に驚きつつも、ケータイを握りしめて「ちょっと電話」と席を立つ。
 居酒屋のトイレに続く廊下は両脇が個室になっているようで、小さな扉がずらりと並ぶ。その一角に身を寄せ、電話に出た。

『ほんと、凛香には呆れるわ』

 舞子の第一声はため息まじりの暴言だった。いきなりダメだしされて、ちょっと頬を膨らませながら、「なによー」とぶうたれる。

『いいかげん人の名前くらい覚えろっつの。幹事の男だよ、浩太は』
「幹事って……。イケメンか」
『第一印象でつけたあだ名だけはしっかり覚えてるってどうなの』
「すいません」

 本当にねえ……あだ名なら覚えていられるんだけどねえ。

『なに? 連絡あったの?』
「うん。今度飲みに行こうって」
『返事は?』
「まだ」
『行くの?』

 うーん、とうなりつつも、私の中では結論が出ている。

「一応、行くかな」
『そっか。ま、悪いやつじゃないからさ、恋愛感情が起きなくても友達になってやってよ』
「ん」
『あ、電車来るから切るわ。健闘を祈る!』
「ありがとー」

 どうやら舞子は帰宅途中だったようだ。電話の向こうから、人のざわめきや電車の通り過ぎる轟音が聞こえる。
 電話を切って、早速メールの返事をしようとしたら、ケータイの画面の前にぬっと指が現れた。

「ぎゃっ! 指のおばけ!」

 びっくりして叫んだら、「あほか」と笑い声が頭上から聞こえた。

「指のおばけってなんだよ」
「なんだ、ジャイさんのおばけか」
「俺はおばけじゃないんですけども」

 いつの間にやら出現したジャイさんは、私のケータイをパチンと閉じると、右の口角だけを上げてにやりと笑った。
 目の奥が意地悪げに光ってる。たじろいで身をひきかけたら、肩を掴まれた。

「イケメンがなんだって?」
「聞いてたの!?」
「ばっちりと」
「盗み聞きしてたの!? 変態!」
「男は誰でも変態ですから」

 ちっとも悪びれた様子も無く、逆に尊大な態度でにじり寄ってくるから、私はじりじりと後退するしかない。壁に遮られ、コンクリートの感触がひんやりと背中に伝わってくる。

「トイレに来たら、凛香ちゃんが話し込んでたからさ。ついつい聞いちゃいました」

 ついついって。ケータイを胸の真ん中で抱きしめ、睨みつけてやる。盗み聞きするなんて最低だ、と目で訴えてるのに、ジャイさんの顔のニヤニヤは全然なくならないどころか、悪化の一途をたどっている。

「デート?」
「だったら、どうするの?」

 もしかして、嫉妬してたりする? 嫉妬を隠すためのニヤニヤ? そう思ったら、急に自分が優位に立てた気がしてきて、私もニヤニヤしてきた。
 ちょっと挑発してやりたくなる。

「イケメンが私のこと気に入ってくれたみたい。イケメン! イケメンパラダイス!」
「あそ」

 あそ、で片付けられた。がっくり。

「今日、うちに来る?」
「は?」

 私の挑発に全く乗ってこないと思ったら、今度は家に誘われたよ。意味わからない。

「せっかく会えたのに飲みに来て終わりなのは、ちょっと寂しいんだけど、俺」
「え」

 顔面にビンタくらった気持ちだ。お酒のせいじゃないのに顔が熱くなる。物欲しげな子犬みたいな目を向けて、私の髪の先っちょを指先でいじくってくる。
 なにこれ作戦? 寂しい子作戦? かぎっ子の子供がおうちで独りで寂しいよ作戦?

「でも、今日は月曜だし、着替え持って来てないし、まだ一週間は長いし」
「じゃあ、金曜だったらいいってこと?」
「そうだね、金曜なら……」
「今週の金曜、八時に駅前で落ち合うか」
「え? 駅前って、ジャイさんちの駅ってこと?」
「そ。ちゃんとお泊りグッズ用意してくるように。うちに置いてっていいから」
「はーい」
「まあ、よいお返事。凛香ちゃんはいい子だねー」

 よしよし、というよりはグリグリと頭をなでられ、私の頭をもっしゃもっしゃにしたと思ったら、すたこらとトイレに入ってしまった。
 なんだよもう、髪の毛が雷様みたいになっちゃったじゃん。ふてくされながら髪を手すきで直して、はっとする。
 今、なんとなくよいお返事しちゃったけど、ええ?

「ちょ、お泊りって!?」


 ***

 合コンの席でその人の人となりを決めない、というのが私の信条であり、誘われたなら、まず一回はデートしてみようというのが私のルールだ。
 こう……なんだっけ? こう君だっけ? 彼だって私という人間の何かしらに魅力を感じてくれたからこうして誘ってくれたわけで、それを無下に断る理由が、今のところ私には無い。
 彼氏がいるわけでも好きな人がいるわけでもない。
 むしろ、忘れたい人を忘れるために、新しい恋を欲している。
 それならば、こんなチャンスを逃すなんて馬鹿らしいし、チャンスはしっかり掴むのが『モテる女』の極意ってやつだろう。

「モテ期!」

 そう。これは人生に二回だか三回だかしか訪れない、モテ期ってやつじゃないの? 振られて(しかも不倫だっつうんだから笑えない)かわいそうな私にくれた、神様からのプレゼントじゃないの?

「モテ期が到来した!」

 舞台女優のように体を一回転させてピタッと止まる。右手を前に差し出しポーズを決めたというのに、目の前に座る弟はゲームに首ったけだ。

「ちょっと無視すんなよ」
「邪魔なんだけど」

 弟がテレビの画面で勢いよく走るマリオカートに合わせ体を右に傾けるから、私もわざと同じ方向に体を傾ける。

「あ!」

 スリップしてチュドーンしたカートを見届けた後、テレビの電源を落としてやった。

「ひでえ」
「お姉ちゃんより大事なものなんて、この世には何も無いのよ、豊介」
「俺の姉貴は絶対、悪魔に魂を売ってる……」

 失礼なやつめ。
 くしゃくしゃの黒髪を抱えて泣きまねをする弟の隣に座り、どん、と焼酎のビンを置く。お父さんの隠し持っていた焼酎だが、どうせたいして飲まないんだから、今日飲んじゃっていいだろう。
 父は仕事が残業、母は「それはいい機会」と友達とゴハンに行ってしまっていない。こういう日は思う存分家飲みするに限る。

「飲むよ!」
「俺、未成年だっつーの」
「焼酎なんて、水よ水!」
「なんだよそのアル中っぽい発言」
「はあ、どうしよう……どっちの男にしようかしら」

 弟の失礼千万な発言は無視して、色っぽい(私の中では)ため息をつく。ちょっと言ってみたかったセリフを言ってみただけなのに、「息が酒臭い」と鼻を塞いで手を仰がれた。
 焼酎のビンで殴ってやろうかと思ったが、犯罪は犯したくないので我慢しよう。

「どっちの男にも告られてないくせに。とらぬ狸の皮算用って知ってる?」
「うっさい! 五歳の頃、近所の女の子二人に両側から『ほうちゃんは私の!』『私の!』って引っ張られて、『女の子って怖い』って大泣きしたくせに!」
「なんでそういうことだけはしっかり覚えてんだよ……」

 少しくらい、モテモテ気分に浸らせてくれたっていいじゃない。うちの弟はほんと生意気だ。

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【2010/02/05 01:17】 | Deep Forest(恋愛)
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*3月28日にコメント下さったぁりさ様*
(反転してお読み下さい)

初めまして。
コメントありがとうございます。

この物語は、主人公が色々戸惑いながらも失恋から立ち直る姿を描くことで、失恋した方へ励みになればいいなと思って書いています。
ぁりさ様が勇気づけられたと言ってくださって、書いてよかったなあと実感しています。

物語はもうちょっとで佳境へと入ります。
ぜひこれからも楽しんでいただけたら嬉しいです。

素敵なご感想ありがとうございました!



*3月14日に拍手からコメント下さったふぁじ~さま*
拍手&コメント、ありがとうございます。
アメリカから!!
遠くからのアクセス(?)ありがとうございます。
アメリカ、一度行ってみたいですー。住んでらっしゃるんですよね?いいなあ!!
またぜひ遊びに来てください。
ご感想ありがとうございました!


*3月14日に拍手から「いやはや…「Deep Forest」やっぱり良いですわー♪」とコメント下さった方へ*

拍手&コメント、ありがとうございます。
ジャイさんがどういう手を打ってくるのか、私も気になるところです笑
主人公はどうやら相当押しに弱いので、ウコン王子ががんがん押してきたらどうなることやら・・・(^^;
あまりきちんとプロットを組んでいないので、私にも未知な進み方をしている物語ですが、
また楽しんで読んでいただけるよう頑張ります。
ご感想ありがとうございました!


*3月11日に拍手からコメント下さった菫さま*

拍手&コメント、ありがとうございます。
タイに行かれたんですか! いいなあーー!
牛肉の麺、ビミョーなんですか。食べないようにしようと思いつつ、ビミョーな味を味わいたくてちょっと食べたくなります笑

主人公は『恋してる』と気付いたらどっぷりはまりこんでしまいそうなタイプですよね。
ジャイさんへの気持ちが恋になったら、菫さんが言うとおり、どっぷりになりそうな笑

旅行でまた更新が遅くなりそうですが、帰ってきたら出来るだけ早く続きを書きたいと思ってます。
ご感想ありがとうございました!


*2月24日に拍手からコメント下さったsawaさま*

拍手&コメントありがとうございます。
ジャイさん、かっこいいですか!お褒めの言葉、ありがとうございます。
ジャイさんはそこらへんにいそうで意外といない男の人を目指して書いてます。
これからジャイさんのかっこいい一面を書けるかどうかわかりませんが(笑)、sawa様にまたかっこいいと言っていただける様に、ジャイ磨きを頑張ります。
ありがとうございました!


*2月14日にコメント下さったカトラスさま*

ご訪問ありがとうございます。
ほんとに来て下さるとは思ってませんでした笑。嬉しいです。
自分でも違和感を持っていた部分へのご指摘でしたので、「やっぱりか」と反省しきりです。
ラブコメと言い切るには、ラブコメではない作品で、私自身も完全なラブコメにするつもりが無いのです。
しかも第一話は短編で書いたやつを焼き直ししただけなので、よけいに展開的にもおかしいんですよ・・・

ただ、ネット上だと、軽い語り口調の方が読まれやすいかなーという思惑があり、会話文は出来る限りライトにしたらのですが、私の書きたいことはライトな文章では書けないという葛藤の末、おかしなことになりました(苦笑)
ターゲット年齢が主人公の年齢層なので、やはりライト過ぎるのは読みたくないかな(私がそうなので)、というのもあります。
逆に文芸風にするとして、それでラブコメなんて、私の力量では書けそうにない・・・(涙)
難しいですね(^^;
修行に励みます!
ずばっと切られました(笑)ありがとうございました!


*2月9日に拍手からコメント下さったなつみかん様*

拍手&コメント、ありがとうございます。
キリン首!!ありがとうございますー!キリンの首ほど長いとは・・・!!
もう少し更新速度を上げられるように頑張ります(`・ω・´)ゞ
最近はちょっと忙しくて更新がまた遅くなってますが、またペースを上げていく(予定)ので、楽しみにしていて下さると嬉しいです。
ご感想、ありがとうございました!


*2月8日に「え。あと10話ぐらいの~」と拍手からコメント下さった方へ*
拍手&コメント、ありがとうございます。
予定は未定なんですが、あと10話ぐらいで終わらせる予定です。
私ももう少し書きたいところではあるんですが、きっと「もう少し書きたい」くらいが綺麗に終わらせられるのかなって思うので・・・。
もうちょっと読みたいと言っていただけるのは本当に嬉しいので、何かしらの形で彼らの姿をまた描きたいなとは思っています(^^)

主人公もなんとか失恋の傷から抜け出せる兆しが見えてきたので、今後に期待してください笑
ジャイさんと凛香の結末を楽しんでいただけると幸いです。
ご感想、ありがとうございました!


*2月6日に「ジャイさんさいこうです」と拍手からコメント下さった方へ*

拍手&コメントありがとうございます。
登場人物を気に入っていただけたようで、ほんと嬉しいです。
作者として何よりもの喜びです(^^)
またぜひ読みに来てください。
ありがとうございました!


*2月3日に「今回も面白かったですー♪」と拍手からコメント下さった方へ*

拍手からコメントありがとうございます。
ヤマとヤマの合間(ちゃんとしたヤマがあるお話ではないのですが苦笑)の話の時って、盛り上がりに欠けてしまってうまく書けないので、面白かったと言っていただけて安心しました。
ありがとうございます。
ほんとにビミョーなお年頃な凛香が、ぐるんぐるん回って悩んでいる姿を、頑張って書いていきたいと思います(^^)
ジャイさんとの関係もこれから少しずつ変化していきますので、どうぞ見守ってやってください。
ご感想、ありがとうございました!
励みになります。

【2010/02/05 01:26】 | 拍手・コメントお返事
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第38話 恋のカタチ

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 人生において、自分に関わるイベントっていうのは二十代を越えると三つしかないというのを、誰かから聞いた。
 成人式、結婚式、お葬式。以上。
 二十代という年代は、その三つしかないイベントの二つをほとんどの人が終えてしまう。
 もしかしたら、人生がめまぐるしく動く年頃なのかもしれない。
 その分、焦りを感じたり必死に走りすぎたり、制御できない自分を抱え、悩み苦しみ、右往左往するのかもしれない。
 三十代に入った途端、肩の荷が下りて楽に生きられるようになったという芸能人を、何度かテレビで観たこともある。

 あと数年で三十代へと突入する私は、どういう『私』になっているだろうか。
 未だ恋に悩み、同僚にちょっと転職の話を聞かされただけで、自分の仕事への熱意さえも疑問に思え、私ももっと将来を見据えなければいけないなんて考えてしまう、そういう自分をいつ終えることが出来るのだろうか。
 立派な大人になっていると、自負できるようになっているだろうか。

 昼休みの時間を、屋上で過ごすことが多くなってきた。
 梅雨の時期も終わり、本格的な夏が到来し、屋外にいるとジリジリと肌が焼ける。
 湯気が立ちそうな体を抱え、うんざりするくらいの蒸し暑さに辟易しながらも、やはりここに来てしまうのは、透き通るような青を見たいからだ。
 排気ガスまみれの空でも、白い太陽光線によって青さを増していく。
 ホイップクリームみたいな雲は真っ白に輝いて、光をよりまぶしくさせる。

 コンビニで買ったおにぎりを口の中に放り込み、ベンチに寄りかかった。風で衿元が揺れているのわかって、それがくすぐったくてたまらない。

「凛香」

 名を呼ばれ、閉じた目を開けると、英美子が私の顔を覗き込んでいた。
 ネイリストになりたいと話してきてから、英美子は昼休みを私と過ごしたいようで、ちょくちょく屋上に来る。
 他の同僚にはまだ話していないらしく、相談相手がほしいのだろう。

「座っていい?」
「どうぞどうぞ」

 右に体を寄せると、英美子は嬉しそうに笑い、腰を下ろした。

「昨日ね、転職の雑誌買ってきたんだ。スクール情報も載ってるやつ」
「へえ。見せて」

 ランチボックスを入れた小さなトートバッグから、分厚い雑誌を出してくる。『好きを仕事に!』とデカデカと書かれた表紙を見て、気が滅入りそうになった。

「英美子はなんでネイリストになりたいって思ったの?」
「事務の仕事って、退屈じゃない。お金のためだけに働くのって、私にはちょっと合わないなって思ったから。ネイルはすごく好きだし人と話すのも好きだし、資格を取りたいし。私に出来る仕事で、資格があるものっていったら、ネイリストかなって。仕事を充実したものにしたいの」

 鼻息荒く語る英美子を、雑誌を見るふりしながら横目で見た。
 頬を紅潮させ興奮気味に鼻を膨らませる英美子は、生き生きしているように見える。

「実はね、課長に辞めたいって話はしたんだ」
「え!?」
「この前の飲み会で、凛香と岸川さんと赤峰さん、転職を勧めてくれたじゃん? あの後、よく考えたんだけどね。打算的な考えだけど、私は女の子だし、転職が不利になる率も男の人よりも低いし。ネイルがダメでも、結婚するっていう逃げ道もあるんだもん。飛び込んでもいいかなーって」
「英美子、計算してるね」

 つい笑ってしまう。
 世の中を渡っていくのは、女の子の方がうまいんだろうなあ。

「うん。凛香がお嫁さんになる時は、ネイルを私がやってあげるね」

 差し出された手に、右手を乗せた。英美子は私の右手を軽くつかむと、ネイルを塗る真似をする。

「凛香、赤峰さんと付き合ってるの?」
「え!?」
「違うの? 飲み会の時、二人で話し込んでるの見ちゃったんだけどさ。すごーい親密な雰囲気だったから、付き合ってるのかなーって。取引先だから秘密にしてるのかなーって」

 赤峰って、誰かと思ったけど、ジャイさんのことか。
 英美子、のほほんとした顔してるくせにするどい。

 付き合ってるかといわれれば、付き合ってないけど。けども!

「あの人、クセはありそうだけど、いい人だよね。付き合えばいいのに。岸川さんも『あの二人は付き合ったら絶対うまくいく』って豪語してたよ」
「だ、で、けど!」

 私とジャイさんの関係に誰も気付くはずないと思っていたから、色恋沙汰に話が発展してまわりが色々言ってるとは思ってもいなかった。
 びっくりして、どう反応すればいいのかわからない。

「彼氏と別れたんでしょー? 赤峰さんのなにがご不満?」
「ご、ふ、まん、っていうか」

 不満なことって、何があるんだ。
 感覚的な部分過ぎて、明確な言葉に出来ない。

「うーん……うん。元彼のが優しかったし、気持ちが伝わる人だったし。私、わからないのって嫌なのかも。元彼は私をちゃんと『好き』って言ってくれたけど、ジャ、えと、あ……赤前さんははっきりしないし」
「赤前じゃなくて赤峰さんだよー。凛香って、けっこう人と人を比較しちゃう人なんだねえ」
「え……」

 涼しい風が、肩まで伸びた髪を揺らしていく。首元をなで上げる風に、一瞬、鳥肌が立つ。
 寒くも無いのに、スウ、と体が冷えた気がしたのだ。

 やっくんとジャイさんを比較し、ジャイさんとイケメンを比較していた。
 どちらがいいのか、天秤にかけ、選ぼうとしていた。

――私と奥さんを、天秤の上に乗せて、どっちにしようかって選ばないで。

 そう言ったのは、私自身なのに。

「赤峰さんは赤峰さんのいいところがあるよー。元彼と比較しないで、赤峰さんのこと、ちゃんと見てみればいいのにぃ。もったいなーい!」

 涙がにじみそうになる。
 私は、私自身がされて嫌だったことを、知らず知らずの内にやっていたのだ。
 ジャイさんが好きになれないんじゃない。
 ジャイさんという人間を、私は見てもいなかった。
 やっくんの姿を投影させ、その後ろにいるジャイさんと重ね合わせ、違う場所を見つけては『これは恋じゃない』と決め付けていた。
 やっくんという型を作って、それが私の『恋のカタチ』だと決め付けていた。

「うん、そうだね」

 目から鱗、ということわざをふと思い出した。
 まさに鱗をはがされ、事実を直視した瞬間だった。

+++++++++++++

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あとがき↓
あと10話くらいで完結させられたらなーと思ってます。
いつまでに完結させる!と宣言すると絶対それまでに終わらせられない・・・なんでだろう(苦笑)

アバターの3D版観てきました。
すごいですね、映像美!
幻想的な空間と奥行きを感じる映像、はまりこんで観ちゃいました。
話の内容はラストサムライみたいなかんじで、よくあるストーリーなんだけど、ストーリーうんぬんよりもあの世界観はすごい。

ロードオブザリングとかラピュタとか、3Dで観てみたいなー・・・3D化しないかなあ。


拍手&コメント、ありがとうございます。
いつもいつも励みになっています。
お返事はResにて返しています。



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【2010/02/08 03:45】 | Deep Forest(恋愛)
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きょうは、一緒すればよかった?

*このエントリは、ブログペットの「ぷっちょん」が書きました。

【2010/02/18 07:16】 | ブログペットぷっちょんの部屋
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第39話 強引な男たち

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 ベッドに体を投げ出し、ぼんやりと天井を眺める。投げ出した写真を一枚手に取り、目の前にかざした。
 ジャイさんを受け入れる心の準備をしたいと思った。
 そのためには、やっくんとの思い出ひとつひとつを整理して片付けていかなければいけない。心に繋ぎ止められた思い出を、後悔の念として残すのではなく、良い思い出に変えていかなければ。
 気持ちの問題は、解決する手段を持たない。
 だからこそ、行動を起こして、気持ちをあるべき場所に持って行く必要がある。

 あるべき場所――アルバムにしまうように、過去の恋愛の一ページへと、納める。

 私は元彼の写真を捨てるタイプの人間ではない。元々写真自体あまり撮らないから、歴代の彼氏との写真なんて本当に数枚しかないし、捨ててしまったら、アルバムがスカスカになってしまう。
 やっくんとの写真も、やはり六枚しか無かった。一年でこの枚数なら、多い方だろう。
 捨ててしまうべきか、今までどおり、アルバムに入れておくか。
 引っ張り出したアルバムを目の前に悩んでしまい、面倒くさくなってベッドに寝転がった。
 アルバムから抜き出した写真を眺め、写真の中の思い出を掘り返す。

 水族館や映画館、アウトレットに遊園地……ありきたりのデートの積み重ねなのに、どうして心に残るのだろう。
 どうして、忘れたくないと、思ってしまうのだろう。

 ケータイから着信音が流れる。大好きな曲も、物思いにふけっている時に聞くと、うざったくてしかたない。
 画面にはメールのマークが点滅している。
 小さくため息をつきながら、メールを開くと、『うこん君』という文字が目に付いた。

 ……うこん君って誰。

『じゃあ、仕事の後に飲みに行こうか? 今週の金曜はあいてる?』

 じゃあ、という始まりの文面ということは、すでに何回かメールのやり取りをしてる人だ。送信メールのフォルダを開き、何通か自分が送ったメールを確認して、ようやく思い出す。
 浩太君。合コンの席で知り合った人だ。
 また遊ぼうと誘われて、『いいよ』と返した。それで、このメールが来たんだ。

 今週の金曜は、ジャイさんとの約束がある。けど、あれって、約束になる?
 一方通行だったし、なによりお泊りのお誘いだ。
 付き合っても無いのに、お泊りだなんて。ついこの間やらかしたけど、あれは『流れ』ってもんだ。止むを得ず泊まることにしたのであって、泊まることが目的だったんじゃない。
 ジャイさんをいまいち信用できないのって、絶対、あのお軽い誘い方のせいだ。

 それはさておき。どうしよう。『いいよ』と文面を作っては消し、『金曜は無理かも』と作っては消し。それを四、五回繰り返して、ようやくNGの返信をすることに決めた。

 ジャイさんとの約束、っていうよりは、先約優先ってことで。

「ごめん、その日は約束がある、と」

 送信ボタンを押すと、またすぐに返事が来た。

『土曜は?』

 土曜は予定無い。大丈夫と返信してすぐに、土曜に会うのは嫌だなと唇を噛んだ。
 だって、一日中のデートに誘われるかもしれなくなる。
 あまりよく知らない人とずっと一緒に過ごすのは、気を使ってかなり疲れる。ゆっくりしたい休みの日に、わざわざ神経すり減らすのも馬鹿らしい。
 やっぱりダメ、とでも返そうかとケータイに再び手を伸ばした瞬間、メールが届いたことを知らせる着メロが高らかに流れた。

『また会いたかったから嬉しいよ。夕飯に付き合ってくれるかな? 六時に六本木駅でいい?』


 ***

 一週間はあっという間で、仕事に追われながらワタワタしてたら、もう金曜になってしまった。
 ジャイさんにお泊りを誘われてるけど、お泊りグッズなんて用意してない。
 大体、『お泊りグッズ持って来い。置いてっていいから』って一体どういうつもりなんだ。
 わけがわからない。好きなら好きって言えばいい。どうして言ってくれないんだ。
 私がやっくんを忘れたら告白するって、ジャイさんらしくない。
「俺に惚れろよ」とかかっこつけて言ってきそうなのに。

「佐村、伝票」
「ありがとうございます」

 パソコンのディスプレイの上からにょきっと生えた川田の手には数枚の伝票が握られている。この間さんざん怒ったから、今週はけっこうきっちり伝票を渡してくれているのだ。

 エクセルで作り途中の書類を保存し、管理システムから伝票登録画面に行く。商品コードを入力して登録したところで、時計をちらっと伺い、周囲の状況を見渡す。
 普段は営業先から直帰することがほとんどの営業担当の男性陣が、今日は三人も残っている。珍しいこともあるもんだ。

「岸川さん、今日は私、七時前に上がりますね」

 隣の席の頼れる先輩、岸川さんに了承を得るために話しかけると、電卓を打ち鳴らながら(岸川さんは穏やかそうな外見に似合わず、電卓の打ち方が豪快だ。高速でバシバシと入力している音が離れてても聞こえてくる)、「お疲れー」と了承してくれた。

「すいません、お先に失礼します」
「なんだよ、佐村。デートかあ?」

 川田がオヤジ丸出しの半笑いで聞いてくるから、「ええ。川田さんと違ってモテますので」とにっこりと笑ってやった。

「お、俺だってモテるっつーの」

 とかなんとか必死に言ってるが、無視してやろう。

+++++++++++++

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あとがき↓
仕事が急激に忙しくなってきました(涙)
余裕だと思ってたのに、全くもって余裕がなくなってきた。ひー!


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【2010/02/19 06:17】 | Deep Forest(恋愛)
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第40話 君を見つけた日

+++++++++++++

 さすがにジャイさんの最寄り駅を待ち合わせ場所にするのは気がひけて、新宿駅に変更してもらった。しぶられるかと思ったら、即座にオッケーの返事が来て安心する。
 南口改札で落ち合い、飲み屋に向かう。ふかふかのソファーが売りのお店に入り、まずは乾杯のビールを頼んだ。
 最近は週一程度しか会っていないから、なんとなく緊張してしまう。しかもプライベートでの時間が増すにつれ、取引先の人という認識もすっかり薄れている。
 仕事終わりのジャイさんは気だるそうにネクタイをゆるめ、ソファにもたれて寛ぎモードになっている。

「疲れてる?」

 なんとなくだるそうに見えて、そう聞くと、ジャイさんは表情を緩めて小さく笑った。

「ごめん、そう見えた?」
「ううん、なんとなく」

 心を許してくれてるんじゃないかと思った。
 一瞬見せただけの表情だけれど、それは仕事を一緒にしていた時には一度も見たことがない表情だった。
 切れ長の瞳はいつもよりもゆっくりと瞬く。貼りついた笑みではなく、リラックスしているからこそのわずかな微笑み。

 気付いてしまう。
 これは、私しか知らない顔だ。
 岸川さんも英美子も……他の同僚も、知らない。
 だって、ジャイさんは会社にいる時も、この間、皆で飲んだ時も、こんな表情をしなかった。
 薄い唇に浮かぶ優しい営業スマイルはジャイさんの好感度をあげている。だから、同僚連中には評判が良い。
 けれど、あれは営業スマイルなのだ。
 今、私の目の前で笑みを絶やさないこの男は、酒で赤くなった瞳を潤わせ、ニコニコというよりはニヤニヤと実に楽しげにしている。
 
 こんなちょっといやらしい表情は、きっと私の前でしかしない。

「荷物、少なくない?」
「そう? いつもこんなもんだよ」

 仕事用のバッグはギリギリA4サイズの書類が入る物を選んでいる。荷物が重くなることを好まないから、社会人としては比較的に荷物が少ない方だろう。

「お泊りグッズは?」
「持ってくるわけないじゃん。付き合ってない男の人のところにほいほい泊まりに行くほど、飢えてないから」

 ぱっきりと否定してやったら、ジャイさんは唇を尖らせてブーブーと抗議して来た。

「持ってくるって言ってだろー。俺、楽しみにしてたのにな」

 甘えっこになってきた。

「あんなの勢いでオッケーしちゃっただけだもん。私を安い女だと思わないでよね」

 ダラダラと恋愛が始まるのは嫌だ。
 気付いたら付き合ってました、っていうパターンがいくらでもあるのはわかってるけど、そんなの私は嫌。
 ちゃんと気持ちを伝えるか、伝えられるかして始まらない恋愛なんて、したくない。

「安い女だなんて、思うわけないだろ? どっちかつうと固そうだなって思ってるよ」
「会ってすぐエッチした女を、固そう、って思えるもの?」

 よくわからないけど、カチンときてしまった。口調が荒くなる。いつもより低い声でぼそりとつぶやいた声は、周りの喧騒に消えてしまいそう。
 思った以上に角の立つ物言いをしてしまって、少しだけ心が痛くなった。
 ビールジョッキに添えていた手を、胸の前でぎゅっと握る。
 冷たくなった手の感触が、じわりと滲んだ。

「あれは関係ないと思うけど。最初なんて関係ない。大事なのは過程だよ」

 びっくりして、ジャイさんを見つめる。
 今のセリフ、聞いたことある。聞いたことあるっていうか、私自身が言った言葉だ。
 ジャイさんの何が不満なのかと舞子に聞かれた。エッチで始まる恋が嫌なのかと、問われた。
 答えは、ジャイさんと一致する。
 出会い方なんて、関係ない。
 恋愛は過程が大事で、結果は時と場合による。

「私もそう思うよ。でも」

 でも、わからないのだ。
 私の気持ちも、ジャイさんの気持ちも。

「ジャイさんがなにを考えてるのかわからない。遊びの女なら他を探してよ。失恋したての女なんて簡単に落ちると思ってるのかもしれないけど、私は違う」
「遊びじゃないって、言わなかった?」
「覚えてない」
「俺は本気だって言ったし、ちゃんと付き合いたいって言ったよ」

 そりゃ、言われたよ。
 でも、全部お酒の席でだ。酒の勢いってもんがある。

「凛香ちゃんが俺を信用しないのはなんで?」

 テーブルがキシリと音を立てた。私と真剣な話をしようとしているのか、ジャイさんはテーブルに膝をつき、片手で唇を軽くいじる。
 鋭い目つきに、ひるんでしまう。

「だって、あんな始まり方だし、ジャイさんは、ちゃらんぽらんな言い方しかしないし」

 しどろもどろの言葉が口の中でもつれる。楽しく飲むだけでよかったのに。
 なんでこんな居心地の悪い気持ちにならないといけないんだ。

「……私もそう思う、なんて言いながら、めちゃくちゃ気にしてるんだな」

 呆れたようなかすれた声に、私ははっとした。

「俺が誰とでもヤる男で、体の相性がいいからって、またヤりたいって思ってるからこそ、こうやって何度も誘ってるんだって疑ってる、そういうことだろ?」

 肯定してしまうのは気がひけて、うつむく。
 それを是と捉えたのか、ジャイさんは長いため息をついた。

「あの日、俺、仕事でけっこうでかいミスしたんだよ」

 ちらりと目だけ上に向ける。目を泳がせながら、ジャイさんは柔らかい髪の毛をくしゃりと掻いた。

「落ち込んでた。会社にも損害を与えかねない事態だったし、どうすればいいのかわからなくて、自信もなくなってたよ。そしたら、目の前に女神様が現れるんだから、捨てる神あれば拾う神ありってことわざはマジだよな」

 自嘲気味の笑みが零れ落ちる。

「女神って」

 つい私も苦笑いすると、ジャイさんは鼻でふと笑い、「だってそうだろ」と声を弾ませる。

「むしゃくしゃしてる時に、ヤりたいなんて言ってくるんだから、願ったり叶ったりだよ。ラッキーだと思った」

 男の人だったら、皆そう思うのかな。
 やらせてくれる女だって、そう思うのかな。

「二度と会うこともないだろうし、俺もあの時はただのノリだったよ。ヤってる時のあんたが『やっくん』『やっくん』連発するのも、正直ドン引きしたけど、やっくんとかいう男がうらやましいとも思った」

 ドン引きしてたのか。いや、私が逆の立場でもそうなるだろうから、反論できない。

「一夜限りの女だって思ってたから、俺もテキトーなこと言った」

 あの日の朝の会話は、しっかり覚えてる。
 リセットボタンを押してくれると、言った。この男は、そう言ってくれたのだ。

「俺のところ来れば? なんてまじでふざけたセリフ吐いたの覚えてる?」

 ああ、そんな会話もした。
 分厚いカーテンの隙間から零れ落ちた朝日を思い出す。
 妙に清々しい気分で、飛び越えた水たまり。朝日を反射して輝いていた。あのきらめきを、はっきりと思い出せる。

「凛香ちゃんも冗談だったんだろうけど、『私が見つける』って言ったよね?」

 まだ半分しか飲んでいないビールが回ってきたのか、頬が火照る。
 片手で頬を押さえながら、うなずいた。

「見つけたのは俺だったけど、また会えた」

 まさかの出会いだった。

「勝気なくせに弱々しくて、傲慢なことを言えばすっかり忘れてる。俺、びっくりしたよ。すげえ女だなって。『運命の相手ならまた会える』とかばかげたこと言ってたけど、俺は少しだけその言葉を信じたくなってたんだ」

 あの時は、冗談でしかなかった。戯言、甘言。ただの言葉遊び。
 それなのに。

「素直に、また会えたらいいって、あの日から思ってた。そしたら、また会えた。ウケるよな」

 そこ、ウケるところ?

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【2010/02/21 04:13】 | Deep Forest(恋愛)
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第41話 運命なんてものは

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「俺は凛香ちゃんに会いたかったんだよ。それで、会えた。会って話したら、やっぱり面白い子で、かわいかった。親指で俺を思い出す女なんて、人生で初めて会ったわ」

 クスクスと笑いながらうつむくジャイさんを、私はただ見据えるしかなかった。
 思い出し笑いされてもな……。だって、ジャイさんの指の爪、幅と広さの比率が私のお父さんの額と同じ比率っぽかったんだもん。
 そりゃあ、インパクトでかくて覚えるでしょ。
 憮然として口をへの字にゆがめていたら、ジャイさんは笑うのを必死にこらえて、ゴホン、と一回咳払いした。
 態勢を立て直すため座り直し、もう一度ちゃんと向かい合ってくる。
 なんだかお見合いみたい。

「俺は正直に話したよ。凛香ちゃんは?」

 私に振るの!?
 目を丸く見開いて、自分の顔を自分で指差す。ジャイさんはウン、とうなずいて、どうぞとばかりに手を差し出してくる。

「わ、私は」

 一呼吸置いて、ゴクンと唾を飲み込む。
 きちんと話そう。整理出来ていない自分の気持ちを順を追って話していけば、答えが見出せるかもしれない。

「ジャイさんのこと、遊び人だと思ってる」
「いきなり矢を飛ばすな」
「だって」

 イテテ、と胸を押さえて痛そうに顔をしかめるけれど、私の言葉にそこまで傷ついていないようだ。

「やっくんと別れ話をして……何もかもどうでも良かった。復讐してやりたい思いもあったし、自分が消えてしまいたい気持ちもあったの」

 復讐なんて、火サスじゃあるまいし。実行するつもりなんてないけれど、心に宿る嫉妬の炎はそうやすやすと消えるもんじゃない。
 奥さんがいたとかふざけてんじゃない。奥さんも奥さんだ。旦那の手綱くらいしっかり握ってろよ。罵声を飛ばしてやじってやりたい。
 でも、自分の中にある『女』の部分がそれを阻止する。
 結局は嫌われたくないのだ。いい女を演じて、嫌われたくなかったのだ。

 だから、方向性を失った嫉妬心や復讐心は自分へと刃を向けた。
 誰でもいいから抱かれてしまおう。やっくんだけが男じゃない。そばにいる誰かがいれば、やっくんでなくてもいい。
 自暴自棄。

 壊れてしまいたかった。

「何もかもどうでもよくて、自分自身だってどうでも良かった。ふらふら歩いて、見つけたのが……」

 ジャイさんをちろりと見る。鋭い視線は真摯に私へと向かう。
 真剣な面差しを見て、ほっとする。
 同時に心苦しくもあった。

「ジャイさんだけ、ぽっかり異次元に立ってるみたいに、私にはジャイさんだけが見えたの。だから、声をかけた」

 都心のネオンは白くてまばゆくて。チカチカと目の端で光が踊る。
 すらりとした手足。体になじんだスーツ。重そうなビジネスバッグ。都会を颯爽と進む男の人の姿に―-私は憧れに似た感情を抱いた。

「誘ったのは、それこそ振られたはらいせだったから。ジャイさんともう二度と会うつもりもなかったし。ジャイさんと同じで、運命の相手だとか、私が見つけるだとか言ったのはテキトーなその場しのぎの言葉だよ」

 そう、その場しのぎの戯言。それが本当になるなんて、思いもしなかった。

「またジャイさんに会って、ジャイさんは私のこと気に入ってくれてるみたいってわかって、嬉しかったけど、怖い気持ちもある」

 ビールジョッキにこびりついた水滴を指先でぬぐう。冷たい感触に、冷静さもよみがえる。

「傷つきたくない」

 そうだ。どんなに言葉を連ねて違う理由を探しても、理由は私自身にしかない。保身しか考えていない。
 また誰かを好きになり、裏切られてしまうことが怖い。
 トゲが刺さったままの心を抱えて、トゲが自然に抜けるのを待つ日々は苦痛でしかない。

「ジャイさんとなんか……出会わなきゃ良かった」

 あんな出会いをした男を、どう信用すればいい?
 私から離れていかないって保障は? そんなもの、どこにもないってわかってる。
 結婚したってすぐ離婚してしまうようなご時勢なのだ。書類で縛っても、効力なんてありはしない。
 女に誘われ、ついていってしまうような男が、私から離れずにいてくれる確率ってどのくらい?
 ものすごく低いんじゃないの?

 舞子。あんたの言うとおりだよ。

 認めるよ。

 私は、ジャイさんを信用していない。セックスで始まった私たちが、互いをしっかりと信用するなんて、難しいんだ。
 私よりもいい女を見つけたら、ほいほいとそっちに行っちゃうんでしょう?
 だって、会ったばかりの女とエッチ出来るんだもんね?

「出会わなきゃ良かった、なんて極論だな」

 ジャイさんの低い声が怖くて、身を縮こまらせる。
 ひどいことを言っている。人を傷つける言葉を吐き出して、それでいいって思い込もうとしてる。

 恋愛に始まり方なんて関係ない。大事なのは過程だ。なんて、自分を納得させるため、自分に言い聞かせているだけだ。
 始まりを気にして、臆病になってる。
 隣に誰もいない環境を怖がり、怯えてるくせに、誰かが現れ去ることを何よりも恐れる。
 このまま独りでいるほうが、よっぽど楽に思えるのは……心が傷ついて壊れてしまったからなのか。

「俺を信用できない?」

 何も答えられず、首を小さく横に振った。横に振ったけれど、否定の意味は含まない。
 答えを出せないから、ジャイさんを傷つけたくなくて、無意識で首が横に動いただけだ。

「俺はやっくんとは違うってわかってる?」
「そんなの」
「やっくんの時と同じ目に合うのが嫌なだけじゃないの?」

 そうだよ。それの何がいけないの?
 何度別れを繰り返しても、その度に傷ついても、やっぱり二度と味わいたくなくて、びくびくしながらしか恋が出来ないんだよ。
 情けない。
 本当に、自分が、情けなくて、涙が出そうになる。

「俺のことを信用しろなんて、俺には言えない」

 うつむいたままの私の髪の先に触れ、ジャイさんは落ち着き払った小さな声でつぶやいた。

「言葉なんつーのは、いくらでも言えるからね。俺の行動を見てよ」

 目線だけを上げる。
 柔らかい髪の毛からのぞく切れ長の瞳は、間接照明の光を照らして、優しげに揺らいだ。
 心臓が跳ね上がって、反射的にまた下を向いてしまった。

「凛香ちゃんは、俺に『惚れさせてみせろ』って宣言した。じゃあ、俺は『俺を見ろ』」

 耳をつかまれ、引っ張られた。
 強い力ではなかったから痛くはないけれど、びっくりして顔を上げてしまう。
 ジャイさんと目が合う。
 すっと目を細めて、ジャイさんは意地悪げに笑う。

「その目んたま見開いて、俺を判断しなさい」

 俺はやっくんとは違いますからね、とジャイさんは声を弾ませた。

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【2010/02/24 04:41】 | Deep Forest(恋愛)
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第42話 がけっぷちダイブ!

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 自信過剰な男だ。
「俺を見ろ」って。「行動で判断しなさい」って。自分に自信がなきゃ、言える言葉じゃない。
 馬鹿じゃないの、心の中で呟いて、残りわずかだったビールを一気に飲みこむ。

 でも、そういう力強い言葉が、心を打ったのも確かだった。
 舞子が言っていた。言葉なんて信用できない。男は平気で嘘をつくって。
「愛してる」とか「お前しかいない」なんてセリフ、誰だって吐ける。心でそう思ってなくても、口にするのは簡単なこと。

 だからこそ、それが真実だと行動で指し示すしかない。
 ジャイさんは、そうしてくれると、言ったのだ。
 もしかしたら、ものすごく肯定的に前向きに考えすぎてるかもしれない。
 ジャイさんの今の言葉も、『嘘』なのかもしれない。私の気を引こうと、体のいいセリフを吐いてみただけなのかもしれない。

「何か飲む?」

 差し出されたメニューを受け取り、焼酎の一覧を眺め、「タンタカタン、ロック」と言ってメニューを返す。

「お、今日は飲む気だな」

 ジャイさんは嬉しそうに笑って、ちょうど料理を持ってきた店員さんに焼酎二杯とチェイサーを頼んだ。

「まあ、そういうわけだから、付き合うか」
「はあ?」
「付き合わなきゃ判断しようがないだろ?」

 強引なっ!
 ……でも、その通りだ。
 嘘か本当かなんて、今の段階の付き合いじゃ判断できない。
 彼がどういう人間なのか、表面上の部分でしか知らないのに、批判的に見るなんて馬鹿らしくもある。
 疑い出したらきりがない。起こってもいないことに悩んでばっかりで、前にも後ろにも進めないのなら、前に進んだ方がましってもんだ。
 ふと、舞子や英美子の顔が浮かんできた。
 結婚に転職。進み始めた友人たち。
 社会に出て四年。仕事にも慣れ、生活も安定した今。それぞれの新しい道を模索し始める年齢。

 私も、進み始めるべきなんだろう。

「ちゃんと、言って」
「なに?」
「ジャイさんの悪いところだね。相手を口車に乗せて、うまくコトを運ぼうとするの。私、ジャイさんが私のことどう思ってるのか、聞いてないよ。私の気持ち次第とか言って逃げないでよ」
「凛香ちゃんはどうなの?」

 ズルイ会話だ。
 私に言わせようとしてる。
 わかってるだけに、言いたくない。

「……付き合ってあげてもいいよ」
「あれ、素直だね」

 ごめんね、ジャイさん。
 好き、とは言えない。
 私は、自分の気持ちに嘘をつきたくない。ジャイさんへの気持ちが、いまだにつかめない。
 でも、だから。
 こういう始まり方をしてもいいじゃない。
 お互いが好きで始まる恋愛なんて稀だ。私の方に気持ちがなくて、ジャイさんだってよくわからない。なのに付き合いだしたとしても、大人になった今では、何の不思議もない。

「惚れさせてくれるんでしょう?」

 ジャイさんをまねて、意地悪く笑ってやる。ジャイさんはパカリと口を一瞬開けると、息を吐き出して「任せてよ」と笑った。

 ***

 この夜の判断を、私はどう思うのだろう。
 いつか後悔するのだろうか。また傷ついて泣くのだろうか。
 今は、まだ、闇の中……。迷路の中で惑っているだけ。

 酔いの回った体は火照って熱い。冷たいウーロン茶をぐいと飲み込んだところで、後ろから抱きすくめられて、噴き出しそうになった。

「ちょっと」

 文句を言おうと振り返ったところで、耳元を舐められる。くすぐったくて身をよじろうとしたのに、密着した体が邪魔で身動きが取れない。
 飲み屋から出て、私とジャイさんはジャイさんちへと向かった。
 終電で帰ろうかと思ったけど、手を繋がれて「一緒にいよう」と言われたら、断ることが出来なかった。
 付き合いだしたのだから、こうなるのも自然な流れだ。

「手をつないでキスをしてデートして。順番どおりに進めるって言ってたじゃない」

 いつだったか、ジャイさんはそんなようなことを言ってたはずだ。

「手もつないだし、キスもしたし、デートもしたじゃん。順序良く進んでるよ」
「でも、全部、付き合う前だよ!」

 反論してるのに、ジャイさんは聞こえないふりをしてくる。ぴったりとくっついて、私の首筋に顔をうずめ、「やっと手に入った」とぼやく。
 ほんわりとしたネコみたいなジャイさんの毛がくすぐったい。
 ネコに抱かれてるみたいで、嫌な気はしない。

「俺、けっこう我慢してると思わない?」
「どこが」
「同じ部屋で、同じベッドで寝たのに、我慢した」
「一晩だけじゃん!」
「嫌だったら、我慢するよ」

 髪質だけじゃなくて、性格までネコみたいな男!
 こういう時だけ甘えてくるとは!

「嫌なら言えよ」
「そうやって、私に判断させようとするの、ずるいよ」
「尊重してるんだよ」

 うまく言い包められてる……。
 それなのにさ、うまい具合に言い包められる私って、単純なのかな。

 答えに窮して口をモゴモゴさせる。どう答えればいいのかわからなくて、ジャイさんの膝に手を乗せた瞬間だった。
 隙をつかれて、キスされる。あ、と声を出そうとしたら、それも隙になって舌をさしこまれた。
 私の舌を絡めとり、歯列をなぞってくる動きが私を翻弄する。負けじと彼の首に手を回し、キスし返した。
 背中をなでてくる手の感触に体が呼応して、胸が高鳴る。

「ベッド、行く?」

 ん、とうなずく。
 指先から足の先まで、じんじんと熱い。
 ジャイさんの手の熱が愛おしくて、その手を掴む。
 チュ、と音を立て降り注ぐ唇が、私の心に花を咲かせた。

+++++++++++++

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【2010/02/25 03:16】 | Deep Forest(恋愛)
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